wa_302661.jpg短編ドラマその4「トムとジャクソン」
本日のお客様:トム・ウェイツ(57歳)ジャクソン・ブラウン(58歳)
日時:2007年1月18日午後10時過ぎ
場所:スローハンド

トム:「ホントにこの店はヒマだなぁ~。開店からいるけど誰も来やしねぇ~。俺がいなきゃボウズだぜ。」
マスター:「ありがとうございます。トムさんには毎日来ていただいて。酔っぱらった客でも来ないよりマシ・・、あっ、いえいえ。ところで最近知ったのですが、トムさん、新譜出したそうじゃないですか。」
トム:「もう去年だよ。だからプローモーションにかこつけて日本に来てるんだがな。」
マスター:「飲んだくれてばかりで何にもしてないんじゃないですか~?そんな話聞いたの一週間前ですよ。」
トム:「まあな、JBみたいに働き過ぎて死んじゃおしまいだからな。ボチボチやるぜ。」
マスター:「別にジェームス・ブラウンが働き過ぎで死んだとは思いませんけどね~。」
~~~扉の開く音、なんとそこにはジャクソン・ブラウンが・・・。~~~
トム:「まだ生きてるJBが来たぜ。」
マスター:「い、いらっしゃいませ。」
ジャクソン:「JBでもジョン・セバスチャン・バッハじゃないよ。」
トム:「それならJSBだろうがっ!」
マスター:「僕、ジャクソンさんの大ファンなんです~。店の名前は『スローハンド』だけどジャクソンさんの曲ばかりかけてみんなから怒られてるくらいです。いっそのこと店の名前『プリテンダー』に変えようかな?」
トム:「フン、パッとしないネーミングだな。いっそ『クロージングタイム』に変えてみろよ。もっと客が来なくなるぜ。それとも二人とも共通の『アサイラム』にでもするか?」
~~~マスター、トムには目もくれずジャクソンに話しかける~~~
マスター:「ジャクソンさん、何でまた日本に?」
ジャクソン:「いや、今レコーディング中でね。煮詰まって気分転換に旅行に来たんだ。日本には友達も大勢いるしね。君も知ってると思うけど昨日まで鎌倉のショーゴのところにいたんだ。」
マスター:「はい、知ってますよ。日本では有名なミュージシャンですから。」
ジャクソン:「アイツのところに行ったらいつでもいたれりつくせりなんだ。アイツ、なんか僕に後ろめたいことでもあるのかな~?」
マスター:「そういえば、ショーゴさんの曲で『レイト・フォー・ザ・スカイ』の歌詞とそっくりな歌詞の曲がありますよ。『偽りの日々』だったかな~。」
ジャクソン:「へぇ~、そうなんだ~。それでアイツ、俺に負い目感じてるのかな~?」
マスター:「ちょっと聴いてみます?」
ジャクソン:「ああ、ちょっとかけてみてくれる?」
~~~マスター、CDをチェンジ~~~
ジャクソン:「何だ、曲調はぜんぜん違うじゃないか。でも歌詞はクリソツだな~。まあ別にいいけどね。明日ショーゴに言っとこ~。もういいから何か気の利いたのかけてよ。」
マスター:「かしこまりました。」
~~~マスター、おもむろにCDをチェンジ~~~
ジャクソン:「なんだ~?ニコじゃないか~。知ってんだろ~。いい加減にしてくれよ~。でもニューヨーク時代はキビしかったな~。やっぱりロスがいいや。マスター、カリフォルニアレモネードおかわり~。」
トム:「マスター、もうほとんど確信犯だな~。」

*このドラマは店主がヒマにまかして考えたフィクションです。
くれぐれも本気にしないでくださいね~。